第10章 狙い狙われ

｢出来なくてどうすんだよ。オイラたちゃプロだぜ？｣
｢何のプロよ？｣
飛段の返しにデイダラは口ごもって赤面した。
｢何だっていいだろ。兎に角プロだっつってんだ、うん｣
｢語るにおちたな｣
｢フカの患者予備軍に言われたかねえや｣
｢お前と組むのなら少し計画が変わるな｣
考え込んでいたイタチが口を開いた。
｢だが悪くない。深水の連れ合いがいる木の葉の近くまでは空路を行ける｣
｢な、悪かねえよな？よし、決まりだ、うん。任しとけよ鬼鮫。何か言い残す事はねえか？｣
｢･･･特にありませんよ。絡みづらい言い方しないで欲しいですね。縁起でもない｣
鬼鮫は厭な顔をして肩をすくめた。
｢まあせいぜいイタチさんの足を引っ張らないように気をつけなさい。あなた、落ち着きのなさにかけては右にも左にも並ぶ者無しの孤高の王者ですからねえ･･･｣
｢･･･誉めてねえじゃん。なんかイラッとくんな、うん｣
｢誰が誉めると言いました？｣
｢ち｣
デイダラは人相悪く舌打ちしたが、気を取り直してイタチに笑顔を向けた。
｢じゃ、よろしくな、うん？｣
｢あ、おい、話はまだ･･｣
ペインが言いかけるのに、卓に足を投げ出した飛段が口を挟んだ。
｢行かせてやりゃいんじゃねェの？行きてえってんだからよ。ここでだらだら話してるよりゃいいと思ォけどねェ。腰ィ退けちゃってるおっさんよりヤル気のある若者の方が使えんだろぉしよ｣
チラと鬼鮫を見遣り、チクリと言い足す。
鬼鮫は飛段を見返した。
｢申し出は有り難いですよ。世話をかけるかもしれませんからね｣
｢お、マジ？考え直しちゃった？じじばばッコの俺を喜ばせてくれちゃう訳？｣
｢そこは自身で交渉して下さい。但し薬を確保した上での事ですよ。まあ話の持って行き方ではあっさり了承すると思いますがね。くれぐれも悪用する際はその旨を匂わせない事です。遁走されちゃ困りますからね｣
｢･･･お前たち、自分たちだけで話を進めて･･･｣
ペインがまた言いかけるのに今度はサソリが口を挟む。
｢うるせえな、仕様がねえだろ、暇なんだからよ｣
｢金になるなら誰でも出張ればいい。そもそも仕事がないのが悪い。最悪だ。何故仕事がないと言って、仕事を取って来るヤツが無能だからだ｣
角都もにべなく言い放つ。
｢そうね･･･仕事を選ぶのにもノーセンスだし、統率力もいまいちだし、困ったわね･･｣