• テキストサイズ

連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第10章 狙い狙われ


「そうか、テメエ年寄専か。うちのしわくちゃも大喜びでくれてやんぞ」
「や、そこはいいな。いらねぇ」
「・・・交換条件ですか。高いんだか安いんだか。第一今ここにいる限り守りは要らないと思いますがね」
鬼鮫は明らかに気が進まない様子を見せた。相手が相手、無理もない。
「は、腰退けてやがんな。じゃ、俺も知らねえよ」
耳を小指で掻いてふっと吹きながら、飛段は薄ら笑いを浮かべた。
「襲われたとする。怪我ァする。牡蠣殻も、襲った阿呆も、まあもしかしたら俺もよ。皆血まみれになるよなァ?で、な?最後に立ってンのは誰だと思う?あ?俺様じゃねえの?違う?」
「牡蠣殻死んでんじゃねえか。駄目だろ、そりゃ。ホントバカだな、うん」
「一番助からなくていいヤツが助かっても仕様がねえだろォよ。まンまゾンビ映画のやっすいラストシーンじゃねえか。どのみちうぜェゾンビモンなら、ロメロを観るわ、パンダじゃなくよ」
「あら、渋い事言うわね、サソリ」
「うむ。俺達と趣味が合いそうだ」
「リビングオブザデッドは名作よね、ペイン」
「死霊のはらわたも捨てがたいな・・・」
「遊星からの物体X・・・」
「バタリアン・・・プッ」
「悪魔の死ね死ねモンスター・・・クククッ」
「ふっ、今夜はホラーナイトか」
「悪くないわね、ふふ」
「こえぇよ、止めろ、何笑ってんだよ!アンタら二人はそんな気色ワリイもんばっか観てんのかよ・・・オイラ夜中には絶対アンタらの部屋に近づかねえぞ・・・・。旦那もおッかねぇ。部屋移ってくれよ。隣で気色ワリイもん観てるなんて冗談じゃねえ、まじどっか行ってくれ。頼む」
「ざけんな、テメエが移れ」
「おいおい、俺の話きいてんの?おたくら?」
「・・・俺はいい案だと思う」
イタチがポツリと言った。
「どうもあの人は目放しならないところがあるように思う。フラリと消えられても厄介だ。誰か貼り付いているのは悪くないし、それが飛段でいけない事はない」
「・・・あのよ、ちっと気になんだけどな・・・鬼鮫はそれでいいのか?うん?」
デイダラはチラリと鬼鮫を見た。鬼鮫は剣呑な目付きでそれを見返す。
「・・・何です?何か不都合でも?」
「いや、アンタがよきゃいんだけどよ。うん」
デイダラは肩をすくめて口を噤んだ。
「うちの仕事は安くない。深水という男、支払い能力はあるのか?」
ペインの問いにイタチが頷く。
/ 249ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp