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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第9章 火影 磯影 木偶の坊


煙い。うるさい。そして顔見知りが多すぎる。
ニッパチキューは焼き肉の日だ。木の葉の焼肉屋に人が集まる。更に本日、給料日直後。
「ぼろっぼろじゃねえかよ、なっさけねえ」
後ろのテーブルとの仕切りから、キバが顔を出してギャハギャハ笑っている。
シカマルといのは貼り薬だらけの顔をむっつりさせて、もくもくと焼き肉を口に運んだ。
「いや、俺は逆に感動する。何故ならばコイツらは自分たちが焼かれかけたと言うのにその任務の打ち上げに焼肉屋に来て、敢えて自分たちがなりかけた焼き肉を食べているからだ。受けた傷に塩を塗る事で乗り越えようとしている。俺には出来ない。何故ならば辛い思いをまでして旨いとも思わない肉を食っても金の無駄だからだ。そんな真似をするくらいなら俺はうちに帰って虫の世話をする。虫は色艶良く健康になり俺は癒され、次の任務に備える事が出来て明らかにより合理的な結果を産むからだ」
「・・・それが針の筵だって人がいっぱいいるのがわかれば、君ももう少し存在感が出て来ると思うよ、油目くん」
隣のテーブルからテンテンがため息混じりの忠告をシノに繰り出す。箸を置いたところを見ると、虫の話で少々食欲が失せた様だ。その横で何故かキムチをこんがり焼いていたネジが難しい顔をしてむっつりとキバとシノを睨み、
「何でお前らがヒナタさまのチームなのか、会う度思うが全くわからない・・・。何故犬と虫なのだ。どうして虫と犬だ・・・」
「虫と犬に固執するのはお前の自信のなさを表している。何故ならば人間以外という解り易いカテゴリーは、エリートである事がアイデンティティーであったお前が自ら定義した落ちこぼれに鼻っ柱を折られ信じるところを木っ端微塵にされた為に、安易な振り分けに逃げざろう得なくなったお前の脆弱さを示しているからだ。俺は虫を侮辱するヤツは許さない」
「全然わかんないけどそうじゃないと思うよ?ネジはヒナタを心配してるんだよ」
大分腹が膨れたのか、ものも言わずに肉を掻き込んでいたチョウジがシノを諌めた。
「虫や犬が苦手な女の子って多いと思うよ?」
「チョウジ、アンタ良い事言いました。シノ、アンタ、もっとデリカシー持たなきゃ駄目だよ。言ってるコトが正し過ぎんの、いっつも。ホント頭良いヤツはロクな事言わないんだよねー」
いのが横目でシカマルを見ながら、大袈裟に頷いた。
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