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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第4章 文通


「ええ、まあ、そんな大袈裟なものでなくてもいいんですがね」
イタチの驚き様に鬼鮫は肩をすくめた。
牡蠣殻と離れて五ヶ月、人里にもそろそろ初雪が降ろうかという時節の任務中の事だった。牡蠣殻から初めの手紙が来た直後。
鬼鮫は深水に医術の教えを乞うつもりでいた。
「あの人はああいう体でしょう。色々知っておいた方が何かと便利かと思いまして。それには彼に教わるのが都合がいい」
「便利?」
「壊したら治さないと長く楽しめないでしょう?」
・・・鬼鮫、恐ろしいコ・・・・!
とは誰も言わなかったが、イタチはむしろ感心した。
「本気であの人を連れ回す気なのか」
「そうですよ。そう言ってるじゃないですか」
「暁を抜けるのか?」
「まさか」
「・・・あの人を暁に入れるのは無理だぞ」
「当たり前ですよ。ビンゴブックにも載ってないメンバーなんて、暁には有り得ないでしょう」
「どうするつもりなんだ?」
「私の連れですから。連れて歩くだけですよ」
イタチは難しい顔をして考え込んだ。
「あの人を連れて任務をこなす気なのか」
「無理なときは待っていればいいんです」
「鬼鮫、お前の言っている事は不可能だ」
「まとめて考えればそうでしょうね。しかし一つ一つ片付けていけば出来ない訳じゃないですよ。そもそも可能不可能の話じゃありませんからねえ」
そこで鬼鮫は話を切り上げた。イタチもそれ以上何も言わなかった。
しかし二人の心中は同じだった。
"そもそも、あの面っ倒臭そうな男とどう接触するのか"
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