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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第4章 文通


「ちょっと待ってなさい」
イタチを噴かせた奇跡の土鳩に声をかけ、鬼鮫は栗と煙草の匂いがする紙縒をほどいた。
「相変わらずですねえ・・・」
取り合えずこの匂いが牡蠣殻に禁煙の二文字はないという情報を伝えてくる。
手紙の内容は簡潔だった。
乞う連絡 深水
「・・・・あなた、何か間違えました?」
顔を上げて静かに問うも、土鳩はクルックーのクの字もない。真顔で見返してくるのみだ。
要説明 干柿
土鳩の足に五秒もかからない返信を結わえて放してやる。
"ちょっと最近便りの内容に誤解を招く偏りがありましたかね"
確かに深水に深入りし過ぎた感はある。しかしそれも思うところがあったからで、鬼鮫は腕を組んで顔をしかめた。
「男と文のやり取りですか・・・どこで間違えましたかねえ、私・・・」

「師事?」
イタチにしては大きな声が出た。


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