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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第27章 黄泉隠れ


「・・・何かあってもますます腹が立ちますからね。私は砂に行きます。あなたはアジトに戻って報告しなさい。自分の相方の呆れた所業を」
「つまんねえなァ。俺が砂ァ行くからオメエがアジトに戻って報告すりゃいいじゃねぇかよ。一石二鳥じゃね?」
「・・・何が一石でどれが二鳥だかまるっきりわかりませんね。ホント何言ってんですか、あなたは」
「え?わかんねぇの?案外バカだなァ、鬼鮫ェ」
「・・・わかりました、あなた、アジトに戻って祈りなさい。忙しくて祈る暇もなかったでしょう?待ってるんじゃないですか?ジャンデックだかジャミロクワイだかいう神様が?」
「ジャ、ジャンデックとジャミロクワイ!?おま、何言っちゃってんの!?ジャだけ!ジャだけだろおぉォ、共通点ンン!!!いや、いやァ、鬼鮫、そら駄目だ。同じ土俵にゃあげちゃなんねぇ!バカ、も少し考えてモノォ言え!?うわ、おっかね、ちょっとォ!!それこそオメエ、ジャンデックもビックリの不協和音てヤツだぜ?ジャミロクワイもキャッつってデカイシャッポを脱ぐわ!止めて止めて、何がなんだかわかんねえけど謝っとけ、マジで!ちょ、鬼鮫!ごめんなさいはあァァ!!??」
「・・・何ですか、バルスより凄いんですか、ジャンデックとジャミロクワイって呪文は?死なないあなたが死にそうになってますよ、ハハ。あなた音楽に関しては恐ろしくラウンドが広いんですねえ・・・」
飛段は一歩退いて痛ましげに鬼鮫を見た。
「・・・・・・どんだけ疲れてんだ、オメエは・・・。俺ァ邪魔しねえから、気ィすむまで好きにしな?ン?大丈夫か、一人でよ?隅っこで瞳孔開いたり部屋着で踊り狂ったりすんなよ?オメエがやっとどっちも洒落になんねぇからな?」
「・・・あなたにそんな心配されてる自分が心配ですよ・・・そんなに破壊力ありました?何かすいませんねえ。まあ、有り難うございます。お気持ちは頂いておきますよ。好きにするんで行って下さい」
「お?」
何の気なしに表を見た飛段が、頓狂な声を上げた。
「始まるンじゃねぇか?人が集まって来てるぜ?俺ァ散開てな初めて見るぜ」
「・・・・・」
鬼鮫は飛段の横に立って表を見た。人混みが動いている。
木の葉の住人に混じって磯の民らしい姿が見えた。腰や背中に簡便な鞄をくくりつけた連中が恐らく磯だ。あれらはみな牡蠣殻のもののように、青いタヌキの白いポケットなのだろう。
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