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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第27章 黄泉隠れ


またも釣られて立ち上がった飛段が呆れ顔をする。
"しかし深水の連れ合いは、仮にも先代風影の弟嫁だった女・・・。砂の兄弟が揃って現れたところを見ると保護は厚いでしょう。迂闊に手を出せる状況にない筈。どうするつもりなんですかね?"
鬼鮫は顎に手をあて、歩き回った。
「どっかの探偵かテメエは。バーガーストリートか、ここァ」
「・・・ベーカーストリートの事ですか?私はときどきあなたのそういうところがサービス精神から来る計算されたボケであるようにと神に祈りたくなりますよ」
「ん?神になら毎日祈ってンじゃねぇかよ、他でもねぇこのオレがよ?」
「なら見放されてるんでしょうね。無駄だからもう止めた方がいいですよ」
「ンだとごらァ!ジャシン様ァバカにする気かァ!」
「馬鹿になんかしていませんよ。大体見放されるのは飛段に問題があるからでしょう。言わせて貰えば今まさにその問題点を露呈して私に食って掛かってきている訳ですが、そこら辺わかるようにならないといくら祈っても無駄なんじゃないかと思いますよ。まあ、あなたの神様の事を私はよく知りませんから、何とも言えませんがね?」
「ベラベラ言ってンじゃねぇかよ、やっぱバカにしてやがンな?」
「してません。そんな暇はありません。黙りなさい」
鬼鮫は犬を追うように手を振って、眉根を寄せた。
個々の能力が高いため、暁は全員にスタンドプレーヤーの気味がある。それが往々にして面倒の種になるが、今回程腹が立ったのは初めてだった。
「今度会ったときが角都の顔の見納めになるかもしれませんよ。心しておきなさい」
「まァたまた。アイツァ心臓五つも持ってんだぜェ?案外見納めになんのはオメエの顔かも知んねえよ?まあ、両方見納めでも俺ァぜーんぜんかまわねんだけどよ」
「六回殺せばいいだけの事でしょう。楽しみですよ。腹の立つ相手を六回も殺せる機会などそうそうあるものではありませんからね」
「何だっていいけどよ、巻き込むなよ?俺ァ暴れんのは好きだけど揉めんのは嫌いなんだ。いわゆる平和主義者ってヤツ?」
「そう言われましても、私にはあなたが平和主義を完璧に履き違えている事くらいしかわかりませんね」
「クツの話なんかしてねェよ」
「ええ、そうでしょうね、私もしてません」
「じゃ誰がしたんだよ?あ?」
「・・・あなたとデイダラがこんなによく似てるとは思いませんでしたねえ」

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