第26章 シカマル受難
「そら日本人なら苔のむすまでだろが」
「知らねえよ、そんな訳わかんねえクールジャパン。もう見てるだけでメンドくせぇんだよ、オメエは。店から食いもんが消失する!昼飯前だってのにどんだけ迷惑かけるつもりだ。オーダーストップ!終り!ご馳走様だ!帰っぞ!テメエももう暗黒星雲に帰れ!里帰りしろ!里帰りした途端拘束されろ!二度と星から出て来んな!」
「何だ?腹減ってイライラしてんのか?しょーがねーな、ほら食え」
「・・・・・!!!人の皿にテメエの食いかけ投げ込むんじゃねえ、バカッ!!ホントにどうなってんだ、オメエの頭は!!」
「どうって、良いよ~、アタシの頭は。アタシの頭なんだから悪ィ訳ねえじゃーん。ジャンジャン。ダハハッ、おっかすィ~、箸が転げるわぁー。ぷっ、くくくッ」
「・・・ムカついて吐き気して来た・・・」
「お?でかしたぞ、バンビ丸!何ヵ月だ!?」
「・・・バ・・・ッ、こ・・・ッ」
「落ち着きなさい、奈良くん。一杯いきますか?」
「・・・アンタはアンタで何で未成年者に酒すすめてんです、波平さん・・・一人酒が淋しんだったらアスマを呼んだらいいスよ。オレ帰るから」
「アスマは磯の散開の件で忙しいと思いますよ」
「思いますよじゃねえだろ、何で当事者中の当事者がこんなとこで油売りまくってンだ?」
「脂は売るもんじゃねえって、食うもんだヨ?わかってねえな、奈良京都二泊三日古都大好きツアーくんは」
「いくら頭が良くても狂犬病持ちじゃ人の名前も覚えらんねえらしいな。磯じゃどうだか知らねえけどな、木の葉じゃそういう頭は、悪いってんだ。覚えとけ」
「シカマルの四文字も覚えられないのにそんな難しい事覚えてられる訳ねぇでしょうが。奈良で満喫大人の美食旅くん、意地悪な無茶ぶりは止めなヨ!」
「アンタ今言ったよな?シカマルって言ったよな?明日にゃ忘れてるような口から出任せのフレーズで人を呼ばわるのは止めろ。せめてバンビ丸って呼べ」
「ええ!?シカマルくん、バンビ丸の方がいいの!?親から貰った名前は大事にしなきゃ駄目だヨ!?」
「・・・・・」
「どした?腹減って口きく元気もなくなったか?しょーが・・・」
「止めろ!それはテメエの口に入れろ!」
「何だ、強がりか?いいから貰っとけって。アタシの気持ちだ」
「ますます要らねえよ」
「じゃやっぱり一杯いきますか?私の気持ちですよ」
「そっちも要らねえ」