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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第25章 犬も喰わない・・・・


「意味?必要ありますか、意味が?答えなさい」
「意味が必要あるかって?何を言ってるんですか、貴方は。馬鹿にしてますよ」
牡蠣殻が立ち上がり、二人はギリリと睨み合った。
しばしの沈黙の後、鬼鮫が口火を切った。
「恋しがったり急に消えたり、一体何がしたいんですか、あなたは」
「こればっかりで口が曲がりそうなんですがね。何だってそんなに怒ってるんですか?大体ハナから怒りっぱなしで、話をわかって貰える気がしないんですよ、正直言えば」
「人を煙に巻くような話し方をして話をこじらせるあなたが悪いんですよ。こっちはわかって貰うどころか話を最後まで出来た覚えがない」
「聞くって言ってるのに怒り出すから話がうやむやになるんでしょうが!話したきゃ最後まで話したらいいじゃないですか!いちいち目くじらたてないで!」
「目くじら立たせるような事ばかり言うのは誰です!?本当にあなたという人は何を考えてるのかサッパリわからない。腹が立って仕方ない!」
「勝手に腹を立ててたらいいですよ。こっちだって貴方にわかって貰おうとばかり立ち回ってられません!」
「程度の問題でしょう!?誰があなたの屁理屈だらけの頭や珍奇な行動を全部理解したいと言いましたか!」
「貴方の想定する理解の程を慮れるような繊細な頭は持ってませんのでね!へ、悪しからず!!」
「確かに繊細な頭の持ち合わせはないようですね。人の気も知らずに自分の都合で逃げ回るような無神経な人間には話が難しすぎましたか?これは失礼」
「思ってもないなら失礼なんて言わないで下さい。慇懃無礼の塊ですね、貴方は。しかもまったこの塊のデカイことよ!腹が立つ!」
「慇懃無礼!?人もあろうに何だってよりによってあなたからそんな事を言われなきゃならないんですか!腹が立つのはこっちです!」
「貴方はそもそも初めから腹を立てっぱなしでしょうが!!よくまあ身が持つもんですよ。はた迷惑な」
「はた迷惑!?何を他人事みたいに平然と・・・はぁ・・・」
「何ですか、その当てつけがましい溜め息は!?人前でそこまで大きな溜め息を吐くなんて、貴方も大概不躾ですねえ!」
「溜め息くらい何です。本当なら引っ叩いてやるところを堪えてやってるんですよ?感謝しなさい!」
「ここまであんだけ引っ叩かれて来てその上感謝する馬鹿が何処にいますか!寝言は寝て言えってんですよ!!」


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