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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第24章 It's foolish bird that own.


「え?五階級解禁!?マジですかッ!?」
「藻裾、お前は黙ってなさい。磯辺?」
立ち上がった牡蠣殻に波平が声をかける。
「一服して来ます」
「煙草吸うんスか?」
「吸いますね。失礼」
シカマルの問いに苦笑しながら座敷から下り、フと牡蠣殻は視線を巡らせた。波平が見咎める。
「知り合いでも?」
「・・・いえ、ここにいる筈もないので気のせいでしょう」
「早く戻って下さいよォ、アンタが頼まなきゃ誰も湯豆腐なんか頼みませんからねェ」
「・・・いや、オレが頼む。肉より豆腐の方がマシだ」
「何だ何だ、シケてんなッ、バンビーノ!どした?パスタのが良かったかい?」
「いや、オレ、アンタの言ってっ事マジよくわかんねえから。黙ってくんねえか、頼む」
「た、の、ま、れ、ま、せ、ん!」
「じゃ頼まねえよ。どっか行け、この生物兵器が」
「アラ、バイハザ?ヤダ、そう来ちゃう?」
「どう来たんだよ?訳わかんねえっての。何だバイハザって」
「話せばながァくなりますがァ・・・」
「ならいい。もういい。黙れ。うるせえ」
「それがアンタのやり方かァァ!」
「うるせえって!」
言い合いを聞き流してもう一度辺りを見回し、牡蠣殻は歩き出した。首を捻りながら角を曲がって会計に続く短い廊下に入ったところで、口を押さえられて物陰に引き込まれる。
「・・・・・」
鬼鮫だ。牡蠣殻は一時目を見開き、眉をしかめた。
「色々言いたい事があるのはお互い様です。今は静かになさい」
後ろから隠すように覆い込まれた体勢の上、口と鼻を大きな手で塞がれているので正直かなり苦しい。
目顔で訴えると、よりによって鬼鮫は笑った。
「苦しいですか?私から逃げ出すからこういう目に遭う。いい機会ですから学習しなさい」
笑いながら更に力を込める。牡蠣殻は少し考え込んだ後、ベッと気鮫の手を嘗めた。
「・・・・・ちょっと・・・何をするんですか・・」
静かに手を放して掌と牡蠣殻を見比べ、鬼鮫は変な顔をした。心なし怯んだ様子に見える。牡蠣殻はニヤリと笑って口元を拭った。
「・・・フ、読み勝・・・・・い・・ッ」
「読み勝った?本当にバカですね、あなたは」
「・・・また叩く・・。このままじゃ芯から馬鹿になりますよ、私は」
「使わなくていいところで余計な頭を使うくらいなら芯から馬鹿になりなさい。余程扱い易くなる」
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