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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第24章 It's foolish bird that own.


呆れ顔で口をひん曲げたシカマルに、牡蠣殻は可笑しそうに笑った。
「ああ・・・随分痛め付けられたようですね。汐田さんといい思い出をつくられたようで何よりです」
「いい思い出ってアンタ・・・・人の話聞いてねぇのにも程があるぞ。どんだけ明後日の方向へ行きてぇんだよ、方向音痴か。治せ、そこは治すとこだ」
「しかしいいところで会いましたねえ。後日礼をすると言ったのが空約束にならずにすみました。実に色々と好都合、さあ、行きましょうか」
波平の言葉にシカマルはピクッと眉間にシワを寄せた。
「なんスか。礼なんかいいスよ。マジ要りませんから、もう行きますから、オレ」
「乗り気だね。じゃ、行こうか」
「いや、行くッてのはそっちの行くじゃなくて・・・どこ行く気なんスか?」
波平と牡蠣殻が真横の焼肉屋を指差した。裳裾が満面の笑みを浮かべる。
シカマルは後退りした。
「・・・オレさっき、飯食ったって言いましたよね?」
「ブランチだよ~、ブ、ラ、ン、チ!オサレでしょ~?」
「焼肉屋でブランチも何もねえよ、朝から何考えてんだ。しかも何だ、そっちの二人は呑む気満々じゃねえか。こんな時間から昼呑みセットとか吟味してんじゃねえぞ、おいコラ」
「看板が出ているという事は昼呑み朝呑みを推奨しているに違いありません。薦められたからには受けて立つしかないでしょう」
「矢張り日本酒のコースかな」
「言うまでもないでしょう。この焼肉屋は気が効いている。湯豆腐があるとは焼肉屋には珍しい繊細な気遣い・・・俄然やる気が湧きますよ」
「やる気まで迷子になってっぞ?まだ九時なんだぞ?兎に角オレはいい。行かねえからな。ひとっつも腹減ってねえし、焼肉なんか今要らないモンの三本の指に入ってっから・・・って言ってんだよ!押すなッ!止めろ!行かねえ!アンタらと朝から焼肉なんて、どっからどこをどう見ても厭な気ィしかしねえ!止せバカ押すな、引っ張るな・・・ッ!」
叫び声と共にシカマルは焼肉屋に吸い込まれて行った。
「へい、四名様ご来店~!しゃいぁせ~!」
「止めろ!オレをカウントすんな!」
「ご案内~」
「すんなーッ!」





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