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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第24章 It's foolish bird that own.


通りをテレテレと歩いていたシカマルを見つけて裳裾は目を光らせた。
「やあ、バンビ丸くん!ご機嫌いかが?森の仲間は元気かい?一緒に皆を焼いて食おうよ!」
「おわッ!!昨日の狂犬病・・・」
砂埃が立つ勢いで足を止めたシカマルは、そのままきびすを返して来た道を戻りかけた。
「どこ行くんスかァ?飯奢りますよ、うちの大将が。有り難く着いてきやがれ、ラッキーボーイ!」
「は?・・・アンタの大将って」
視線を巡らせた先に波平を見つけて、シカマルはん?と顎を引いた。
「・・・波平さん?」
焼肉屋の暖簾を興味深く見ていた波平がシカマルを顧みた。
「おや。これは朝から意外な人にぶつかった。おはよう。朝飯はすみましたか?」
「すみましたよ・・・てかアンタらこそ朝っぱらから何して・・・」
言いかけたシカマルは懐手で焼肉屋の立て看板をじっと見詰める挙動不審な眼鏡に目を止めた。
「・・・鶏ガラ団子?」
眼鏡を指さして波平と裳裾を見る。
「裳裾。お前は他里の人に何を言っているんです。牡蠣殻が俄然旨そうになってるじゃないですか」
「ンあ?何スか、そりゃ・・・あ、そうそう、鶏ガラ団子鶏ガラ団子、この人が鶏ガラ眼鏡団子・・・ダハハッハッ、やっぱ何か似てるわ、この二人!」
「・・・はァ?」
牡蠣殻が訝しげにを皆を見回した。シカマルと目が合う。
「・・・あーと?初めまして?牡蠣殻と申します。汐田さんのお知り合いですか。それはご迷惑をおかけしました。お気の毒に・・・」
「あ、ども・・奈良シカマルす」
「学舎時代の牡蠣殻によく似てますねえ」
波平の台詞に裳裾は首を振った。
「今だって似てますて。目付き悪いとことか禿げ上がりそうなデコとか文句ありそうな口元とか」
牡蠣殻がため息を吐いた。
「うちの汐田がつくづくご迷惑をおかけしております。犬に噛まれたと諦めて早いところ忘れて下さい」
「犬は犬でも狂犬病持ちでしょうが、コイツは・・・」
「いやいや、そんな些細な事は気にしない事です。ハゲも狂犬病も忘れてしまえばなかった事になります。大丈夫です。ああ、でも若いうちにハゲそうな人程壮年期にはハゲないらしいですよ。まあまるっきり科学的根拠のないどうしようもない気休めらしいですがね」
「・・・誰がハゲの話をしたよ?」
「え?誰だっけ?」
「・・・人の話を聞けねェのしかいないのか、磯は」
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