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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第19章 降り落ちる災難


「阿修理おじきの奥さんだろ?何の心を落ち着けてたのよ、お前は」
「・・・何も聞こえない」
「大体今の旦那と会うために来るんじゃん?何でこんなとこで人巻き込んで会うんだか知らねえけど、旦那と一緒じゃん?落ち着く?マジ?」
「意地の悪い事を言うと罰が降るぞ」
「バカ、罰は降んじゃなく当たるんじゃん?」
ドカン。
「・・・今ドカンと言ったか?カンクロウ。見事な擬音だったがどういう意味があるんだ?」
我愛羅は無表情に砂煙の中でもがいているカンクロウを見詰めた。
「・・・お前こそ何を浮かれている?ライバルか?ライバルなのか?俺のお地蔵様は渡さないぞ」
砂埃が収まるにつれて、状況がハッキリ見えてきた。
「ちきしょう、あのチビ、落としやがった!ぜってぇ許さねェ!食ってやる!」
「何!?何で化けの声がすんの!?俺死んだ?あちこち痛ェじゃん!?何ここ地獄!?」
カンクロウが藻裾の下敷きになっている。
我愛羅は腕を組んで折り重なって動転している二人を眺めた。
「・・・カンクロウ。分裂したのか?」
「誰が分裂するか、プラナリアか、俺は!」
「プラナリアはお前より可愛らしい」
「そういう事だけスラスラ言ってんじゃねえじゃん!」
「あ、ジャンジャンじゃん。何だお前、何の用だ?」
下敷きにしたカンクロウに気付いた藻裾が居丈高に言った。カンクロウは勢いよく起き上がって藻裾を振り落とし、ザザッと彼女から距離をとった。
「用なんかねえよ。サッサと星に帰れじゃん?何降って来ちゃってんの?何で常識を弁えない訳?どういう生き物よ、お前は」
「知り合いか、カンクロウ」
「こいつァ化けだよ、こんだ降って来たよ、おっかねえ・・・」
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