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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第15章 牡蠣殻の飼う血


「・・・そう言えばあなたは牡蠣殻さんの先生でしたね。失言も師譲りなんでしょうね。まあ仕様がありませんね、ええ、B型ですしね」
「干柿さんの底の見えない思考回路はまさにABのものですな。統計学の一資料としての血液型による行動パターンや思考パターンの違いはなかなか面白いものです。特にABは皮肉な唯我独尊的資質のその特異性が目にたちますな?」
「Bの人目を憚らぬ珍奇さに較べればABなど可愛いものですよ。ああ、失礼。ユニークさですね。珍奇さではなく。それとも珍妙と言うのがいいでしょうか?まあどれだって同じですがね」
「・・・半分Bという解釈は乱暴でしょうが、他に幾らでもあるアルファベットの中から敢えて既存のAとBを使用している辺り、実に興味深い」
「何ですか?私が半分珍奇に出来ているとでもいうおつもりですか?」
「私は何も申しておりませんよ。ただAとBを何故わざわざ使っておるのかと、当然の疑問を投じただけの事」
「ふ。先生負けず嫌いですねえ。よしんば半分が珍奇なBだとしても半分は堅実かつ几帳面なAです。全面的に珍奇なBとはクオリティが違う」
「オリジナリティーも違いますな」
「ハ、Bのオリジナリティーねえ。確かに強烈ですよねえ、繊細なABでは全く相手になりませんよ」
「・・・そう言えば牡蠣殻が、何かであなたが半分方あっちに行っているとか何とか、可笑しげな事を申しておりましたな。アレは何の話でしたか・・・」
「・・・それ、今関係ありますかね」
「いやいや、フと思い出したまで。確かに関係ありませぬな。半分方彼方に身を置いているなど、オリジナリティーという点においては群を抜いたものがあります故、その辺りが連想を誘ったものと思われます。失礼しましたな。ははは、魚類の話は関係なかったですな、うむ」
「・・・フカに魚類扱いされるとはねえ・・・」
「何と申されました、サメさん」
「何でもありませんよ、フカ先生」


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