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melancholia syndrome

第3章 初めての友達


「どうするの?」とか「駄目だろ」とか言われるんじゃないかと思っていた。

だけど、先生は全く違う言葉を放った。

「友達って作るモンじゃないよ」
「へっ?」

あまりに突然だったから素直にそう返していた。

「大事なのは声を掛ける勇気、九条はみんなから注目されちゃってるし中々難しいとは思うけど思い切って声を掛ければ案外どうにかなるもんだよ」
「でも…」

自信がない。
私は良い所が一個もないし、面白くもない。

先生は私の言葉を待つように顔を覗き込む。
優しいな、そう思った。

決して私を否定しない、こうやって待っていてくれる。

だから、私も勇気を出そうと思った。

「あの……私と………友達になってください…」

ぎゅっと目をつむってそう言った。

こんな事を言ったのは初めてだった。

先生の反応が怖くて、おそるおそる顔を上げると先生は何故か笑っていた。
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