第3章 初めての友達
「はぁ………」
重い溜息を付いて食堂の片隅に座る。
もちろん席には1人しかいないし、誰か座りに来る予定もない。
もうみんなは班を組んでしまっただろうか…。
声を掛ける事を躊躇うのには理由がある。
やっぱり私はこの学校の中では特質な人だし、距離も置かれると思う。
でも、それだけじゃなくて私には良い所が一個もない。
「ん?何、君ぼっち飯してんの?」
そう声を掛けられ顔を上げるとカレーを持った和泉先生がいた。
「隣空いてるなら座るぞ」
「…どうぞ」
短く返事をすると先生は遠慮なく座ってきた。
女子生徒と同じ席で男性教師が一緒にご飯を食べるのはどうなのだろう、と思ったが1人で食べるよりはずっとマシな気がした。
お互い無言で食べ進めていたが、カレーを半分ぐらい食べたところで先生が口を開いた。
「クラスの奴ら、もう班組めてた?」
「多分、大丈夫だと思います」
私よりもずっとクラスに馴染めている人ばかりだから、そう答える。
「じゃあ九条は?」
食べる手は止めずに更にそう聞く先生。
「……まだ、です」
私はここで食べる手を止めていた。