第2章 ボクはとりあえず熾獅族のところへ行ってみようと思い旅路につく
「そう言えばなんで2人はここにいるの?」
その言葉に2人...ユウハとサエルは顔を見合わせて言った。
「なにってお前...今日が熾月祭だぞ...?」
「え!?じゃ、じゃあもうはじまってるの!?」
「開幕は九時からなの、さ!今からエントリーに行くわよ~ッ!」
そう言ってニルムを背後から「ガシッ」と掴み部屋を出ていくユウハ。サエルは置いてかれてはたまらんと思い、急いでそれを追いかけた。
二人ともそのためにきてくれたのかなぁ?とユウハの胸に両手で抱えられながらニルムは思い、顔を伏せて微笑を浮かべた。
「ああ!そうだチェックアウトしないと!」
ユウハが急に止まり、ニルムの身体は反動によってくの字に曲がりサエルはぶつからまいとして思いっきりコケた。
「このバカ女!急に止まるなって!」
「誰がバカ女よ!?わ・た・し・は、ユウハよ!」
「んなことしっとるわ!」
「じゃあバカ女って言ったこと謝りなさいよ!」
どうやら二人はお互いのことになると妙にヒートアップする癖があるようで、ニルムは慌てて止めに入る。
「ふ、二人ともそんぐらいにしてさあ、ね?はやくいかない?」
まったくもってそのとうりだったので、とゆうか九時まであと三十分しかない、二人はお互いに「覚えていなさい」とか「覚えていやがれ」というと走り出した。
ユウハが全力疾走で走るので必然的に抱えられているニルムへの振動がすごい。ニルムは目を回した。
「あうあぅ....も、もっと...ちょっと...スピードを.....」
しかしそんなニルムの魂の叫びも走ることに集中している二人には届かなかった。
.......て、あれっ!?チェックアウトは!?
数分後、その競争は往復になった。