第2章 ボクはとりあえず熾獅族のところへ行ってみようと思い旅路につく
「おはよおーニルムー!」
朝一番に聞いた言葉がこれだった。
ニルムはまどろむ中をゆさゆさとゆさられ布団を引っペがされて、「シャアアッ!」という音と共に開いたカーテンによって今までシャットアウトしてくれていた日光がニルムの目にダメージを与える。
「あうぅ...まぶしい...」
「ほーらー起きてー熾月祭にニルム出るんでしよう?」
「ふぇ?なんで知ってるの?」
「私の情報網をなめるなよー?」
ユウハがそう言うと同時に扉から声がした。
「バァカ、俺が教えたんじゃねぇか」
シパシパとした目でとびらをながめるニルム。
そのおぼろげな視界が徐々にクリアになっていき。
「....あれ?サエルさん.....?」
そうニルムが首をかしげながらつぶやく。
もうほとんどニルムを背後から抱き締めるような形になっていたユウハは「あら、やっぱり知り合いだったの」とつぶやいてから。
「どーせまたちょっかいでも出したんでしょ」
と、半眼でいった。
実際そのとおりだったので「ぐ....ッ」といって呻くしかなかったサエルだった。
「そういえば2人って知り合いだったんだねえ」
そう言うとユウハとサエルはどっちも似たような、嫌そうな顔で言った。
「「ただの腐れ縁よ(だ)!!」」
さすがのニルムも苦笑いしか出なかった。