第12章 傍にいたい

顔を真っ赤にして、目線を泳がせる
そしてうつむきながらぼそっと小さくつぶやいた

「何？聞こえねえ」
『……き』
「もっとはっきり言えよ」
『私も一くんのことが好きって言ったの!!』

半泣き状態でいきなりキレられた
なんで怒ってんだよ、意味わかんねえよ

『嫌いになれるわけないじゃん!だってずっと前から好きだったんだもん』
「うん、知ってる」
『一くんが他の子に告白されたって聞いたときは本当に嫌だった!私以外と付き合ってほしくないもん!でも、でもさぁ……』

どんだけ泣けば気が済むんだよ
そんなに泣いたら干からびるんじゃないのか?

……つーか、ちょっと待て
告白された?
俺がか?
こいつが入院してる間、告白なんてされたっけ?

「あのよ、。泣いてるところ悪いんだけど、俺告白なんてされたことねえぞ」
『……え?』

さっきまで泣いていたのに、涙が引っ込んだようだ
鼻をすすりながら、俺の顔を見る彼女の目は大きく開かれていた