第11章 本音
思わず叫んだ
「ちゃん!!」
ここで呼び止めなければだめだと思った
ここに来た意味がなくなってしまう
沈黙した時間が流れた
そして、
『病室、いれてもいいですか?話したいことあるので』
「……じゃあもう勝手に病室抜け出さないこと。いい?」
『はい』
そんな会話が交わされ、そして俺達はちゃんのいる病室に通された
ちゃん以外誰も居ない病室
寂しくないのかな、なんて思ってしまう
『久しぶりだね、元気だった?』
ベッドを起こして、そこに座るちゃん
その笑顔は以前と変わってなくて安心した
「元気だよ、俺達は。は少し風邪ぎみじゃないか?」
『花巻君わかるの?そうなの、少し風邪気味なんだよね』
ふふ、と笑ってマッキーと楽しそうに話すちゃん
その彼女の脚は、聞いていた通りそこになかった
ただ、聞いていたよりずっと重くのしかかった
想像と生じゃ、やっぱりクるものが違う
笑っているちゃんにどうやって話を切り出せばいいんだろう