第11章 本音
月曜日
病院の前で、腕組みをするマッキー
病院の前で、腰に手をあてて仁王立ちする俺こと、及川
病院の前で、ポケットに手を突っ込んで欠伸をする松っつん
それぞれ意気込んで、いざ病室へ!!!
「さんとの面会は親族以外禁止です」
その場に崩れ落ちる俺
マッキーと松っつんは「予想通りだな」と余裕の表情
「なんで教えてくれなかったんだよ!」
「いや、普通に考えればわかるだろ」
病院のロビーで迷惑にならない程度の声の大きさで言いあう俺ら
どうしよう、これじゃ来た意味だよ
岩ちゃんに黙って来たというのに
しょんぼりしている俺の肩を叩くマッキー
思った以上に強く叩かれて肩がじんじんする
「なに?」「あれ見ろよ」「どうしたの?」「あそこにいるのじゃね?」
マッキーの言葉に、その方向を見る
すると少し痩せてはいるが、確かに車いすに座っているちゃんの姿があった
もう、病室出れるんだ
え、てかでて大丈夫なの?
そう思っていると、看護婦さんがちゃんの所に行って「また病室出て!まだ安静にしてなさいって言ったでしょ!」と叱っていた
…………まじめな子かと思っていたけど、案外そうじゃないんだ
車いすを押されてこちらへ向かってくるちゃん
ドキドキ、と心臓はうるさい
なんでこんなに緊張してるの
悪戯がばれないか気にするガキみたいだ
ばちっと目と目が合った
目を見開くちゃん
なにか看護婦さんにこしょこしょと耳打ちをしている
すると、看護婦さんが頷いて、俺達を無視して去って行こうとした