第5章 テストと部活と6月の雨
放課後
「、ちょっと古典教えてくんねえか?」
帰る準備をしていたに声をかけた
彼女が古典が得意だということは、クラスのほとんどが知っていた
し、彼女の友人たちがいつも教えてもらって高得点を取っているということもつい最近知った
『いいよ。どこで勉強する?』
「図書室の方が集中できるから、そこでいいか?」
『うん』
「サンキュー」
カバンを持って、図書室に向かう
図書室の扉を開けると、そこは満席だった
『みんな考えてることは一緒みたいだね』
「みたいだな。どうすっかなー」
このとき、俺の脳内にはある選択肢が浮かんだ
でも、これを言ってしまってもいいのだろうか
俺は手をぎゅっと握り
「あのさ、明日俺んちで勉強するか?」
下心はない
だが、体育の時間のことを思い出してしまう
そういうことに興味がないわけではない
むしろある
抱きたいといつも思っていた
でも、それはもう少し先になってから
だから明日は普通にテスト勉強をすればいい
下心なんてないんだから
無茶苦茶言っていると思う
俺だってテンパっているんだ
仕方ないだろう