第20章 いじめ2
松川は続けた
「人間なんてストレスを発散できる"モノ"を見つければそれに群がるんだよ。カラオケだのゲームだのって。それがたまたま今回は人間だったってことだけの話で。外に吐き出す解放感は気持ちがいいからな」
「だから岩泉はいつも及川にボールをぶつけているのか」
「及川にいつもストレス感じてるからな」
「いじめじゃん!!」
ケラケラと笑った
笑っているうちはまだ大丈夫だ
でも、これがエスカレートしていって笑えなくなったら終わりだ
「でも、だからっていじめていい理由にはならないけどな」
松川のその一言に俺達はうなづいた
と、その時
どこかの教室で、誰かの怒鳴り声が聞えた
その方向に向かうと、花巻の教室だった
中では、女子生徒とが喧嘩をしていた
「あんた邪魔なんだよ!ずるいんだよ!!岩泉君がいるくせに松川君にも手を出してさ!!」
俺と松川は目を合わせた
そして、その後松川はぼそっと言った
「あ、あの子。前に俺に告白してきた子だ」
「まじで、松っつん」
「うん」
なるほど、そういうことかと俺ら4人は納得した
手助けはしない
これはアイツらの問題だ
『手を出すって何!?私そんなことしてない!!』
「嘘つくなよ!この前二人で一緒に帰ってたくせに!」
『あれは……』
口ごもる