第20章 いじめ2
「恥ずかしい、か……」
俺は、つぶやいた
昼休み
俺の教室で、及川や松川がいる中、花巻が話してくれた
がいじめられていた時のことを
悪口や無視は当たり前で
他の男に手を出している噂や
AV女優のコラ画像
一度だけ殴られたこともあったらしい
そんなこと俺は知らなかった
「知らなくて当たり前だ、あいつは怖がってたから」
そういう花巻
彼の口からの本音を知った時、
バカだなと思った
俺が嫌うはずないのに……
「でもさ、俺いつも思うんだけど、どうして人って人をいじめるんだろう」
窓の外を眺めていた及川がそう言った
その質問に答えたのは、松川だった
「そいつに何か"原因"があったからだろ」
「原因?」
「人間は理由もなしに人間をいじめたりしねえよ。何か原因があるからいじめるんだ」
「じゃあちゃんに何か原因があったってこと?」
「そうなるんじゃねえか?」
3人の目が花巻を見る
花巻は何か考える素振りをしていたが、わからないらしい
でも、なんとなく松川の言いたいことはわかった
去年、#ANME1#は幻肢痛に苦しめられていて
それで授業が一時的にストップすることがあった
それをよく思わないやつもいたのは事実で、陰で言われていたのを知っているが、
仕方のないことだと俺は気にもとめなかった