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【ハイキュー!!】青息吐息の恋時雨【短編集】

第5章 視点を変えて見てみよう【2.上昇】(梟谷3年)


2.上昇





ジョークやユーモアっていうのはさ、円滑な人間関係を築くために、時には必要になってくる要素だよね。うん、それは私にもよくわかるよ。

でもさ、例え冗談であってもさ、どんなに親しい間柄であってもさ、言っていいこととダメなことっていうのがあるんじゃないかと思うんだよね。





[他人をからかう時に、触れてはいけない3つのこと]

っていうのを、昔お母さんから教わってさ、


3つっていうのは、

相手の名前と、
家族のことと、
身体的特徴。


なんだけど、つまり、本人でもどうしようもないことは冗談でも馬鹿にしちゃいけないよ、って、小さい頃にお母さんから言われたんだよね。だから私は17年間、できるだけこの言い付けを守るようにしてきたの。



でもさ、残念なことに、そーゆー大切なことを知らないまま大人になってく人間って、意外に多かったりするもんなんだね。











「あらあらあら?ちょっとちょっとなまえさん、もしかしてまた縮んだんじゃないですかぁー?」

ぷすー、と右手の指先を口に当てて、目の前の女子の身体的特徴を馬鹿にするのはバレー部リベロの小見やんこと小見春樹(身長164.7cm)


「あらやだわ小見さんったら。好物のエビフライの食べ過ぎで、とうとう眼球の裏側の網膜が剥離しちゃったみたいねぇ」

平均よりも低い身長の彼を見上げつつ、右手を頬に当てて困ったように笑うのは、バレー部マネージャーのみょうじなまえ(身長は本人の希望により非公開)


「相変わらず、辛辣な返しをしますねなまえさん」

「そういう小見さんこそ、やたら私の身長にご執心ねぇ。何かご自身にコンプレックスでもおありなんです?」

「いやいやそんな。別に小さいとか気にしてるわけじゃないですから俺は全然」

「あらそうなんですの?てっきり女子と張り合わないとプライドが保てないような小さい男なのかと思ってましたわぁ」


うふふふふふ、と部室の真ん中で火花を飛ばす2人に向かって「まーたやってるよ」「今日はセレブ気取りなのかな?」と木葉秋紀と猿杙大和が近づいていく。


「よぉ、チビ&チビ」

ジャージのポケットに手を入れて、シンプルに貶した木葉に「チビって言うなよ!」と小見が光の速さで噛み付いた。「お前だって大してデカいわけじゃないくせに!」
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