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【ハイキュー!!】青息吐息の恋時雨【短編集】

第17章 Soliloquy(菅原孝支)


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高1の頃からなまえが好きだと、誰かに打ち明けたことはない。

理由は2つ。1つは、周りにからかわれるのが嫌だから。

変にお節介を焼かれたり、お膳立てしてもらうのは好きじゃない。(逆に他人の恋路を冷やかすのは大好きだけどな!)


もう1つは、というか、こっちの方が理由としてメインなのかもしれないけれど———

なまえには、中学時代から付き合っている相手がいたから。

恋人のいる相手に片想いなんて負け戦。同情されるのが嫌だから、誰にも相談なんてしなかった。”片想いの時期が一番楽しい” なんてよく聞くけれど、そんな文句が書かれた立て札が目の前に立ってたら引っこ抜いてやりたいと思うね、俺は。


例えばさ、放課後部室へ行く途中、校舎の窓から下校中のなまえを見つけたとする。あー、今日は部活休みなのかなぁ。やっぱり可愛いなぁ。遠目から見ても抜群に可愛い。なんてぼんやり見とれてしまうとする。

だけど、なまえの向かう先には必ず学ラン姿のアイツがいるんだ。テニス部のアイツ。名前なんて思い出したくないほどムカムカする奴。そいつがさ、なまえと並んで帰ってるんだよ。一緒に手を繋いでるとこを目撃した日なんか最悪だ。ハートがぱりん、どころの騒ぎじゃない。破砕機だよ、破砕機。ダブルロールのクラッシャー。
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