第5章 Indian's prince
セ「坊っちゃん、ご自分に送られたお手紙は“どんな内容でも”きちんとお読みになるのが紳士とあうものですよ」
シ「うるさい。いいから早く詳細を話せ」
私は懐に入れておいた招待状の中身を読んだ
『来週クリスタルパレスで行われる[帝国におけるインド文化とその繁栄展]はインドにおけるイギリスの功績や産業についての展示をメインとした展覧会です。催し物の一環としてカリーの品評会が行われる予定です。坊っちゃんはその品評会の特別審査員として招待状が来ておりました』
セ「品評会は数社のカリーを競い合わせる趣向の様で、噂によればカリー好きと名高い女王もご見学にいらっしゃるとか、他にも個人主催のパーティー等をお調べしますか?」
シ「インド…カリー…“もう”十分だ」
劉「気づいたようだね伯爵」
シ「ああ、“3年”“品評会”そしてブランド好きのウエストの考えそうなこととくれば答えは一つだろう。まさか本当にこんな下らない事件だったとはな。呆れてものも言えん…」
劉「あはは、本当に無駄足だったわけか」