第5章 Indian's prince
割れてしまったティーセットを片付けテーブルや床に広がる紅茶を拭き取った後、坊っちゃんと共にソーマ様が使っている客室に向かった
部屋の中からセバスチャンとソーマ様の話し声が聞こえる
セ「見返り無しに誰かに仕えたりするはずない。スラム街でなら3才児でも知ってますよ。誰も貴方を愛してた訳じゃない」
ソ「俺…俺はっ…」
シ「その辺にしてやれ」
セ「坊っちゃん」
シ「僕だってそいつと同じだったかもしれない──あの1ヶ月がなければ───」
坊っちゃん…
私は…なんのために坊っちゃんに仕えているのだろう…
坊っちゃんを守りたい
その想いで今まで生きてきた
でも何故…?旦那様や奥様に二つ目の人生を貰った恩もある
でもそれだけじゃない気がする
止めよう…考えることじゃない…
私は坊っちゃんをこれからも守り抜く
この命をかけて…
それだけでいい
それだけを胸に秘めていればいい
仕える理由なんて…