第5章 Indian's prince
タウンハウスに戻ってから皆様は談話室へ、私とセバスチャンで紅茶の準備をした
劉「すごかったねさっきの彼。人間の範疇を越えてるよ」
ソ「あれは“サマーディ”だ。ああなると誰も手がつけられん」
シ「サマーディ?」
『たしか…宗教的なもので、一種のトランス状態の事だったと』
セ「人間という生物は強烈な信仰という盲信によって強大な力を生み出す事のできる稀な生き物です。かつてのヴァイキングはオーディンの名のもとバーサーカーとなり、十字軍のパラディンはヤハウェの名のもと侵略という名の戦いを繰り返した…“彼”もまたその一人。ソーマ様という“神”への絶対的な信仰によって、ヒトには持ち得ない程の力を産み出している。“私達”には持ち得ない誰かを信じ、愛することで生まれる“信仰”という力」
信仰…私にはそんな力…
………ダメだ…私はそんな不安定な力に頼るわけにはいかない
でなければ悪魔と契約してまでここにいる意味などない