第5章 Indian's prince
それから1時間程して夕食…
シ「――で結局、お前の探している女は何者だ?」
ソ「俺が生まれた時から俺の侍女だった女でまぁ乳母みたいなモンだ。物心ついた頃からずっと一緒だった。親父様は俺なんか興味ないし、母上は親父様の気を引くのに必死で俺には見向きもしない。宮殿にいつも独りで…でもミーナはいつも俺の傍にいてくれた。明るくて美人で姉のようになんでも教えてくれた」
ソーマ様が話してる間私の心は冷めていた
ふつうは同情するものかもしれないが、私の心は驚く程に冷めていた…
ソ「ミーナさえいれば俺は寂しくなかった。俺はミーナを愛して、ミーナも俺を愛してくれた。だけど…あいつが…英国貴族が来てミーナを英国へ連れ去った!」
劉「どういうことだい?」
ソ「ベンガル藩王国はインド皇帝であるヴィクトリア女王に内政権を認められてはいるが、実際は英国から派遣されてくる政治顧問がほとんど政治を牛耳ってる。実体は植民地と大差ない。そして3ヶ月ほど前にその政治顧問の客として“そいつ”はやって来た!“そいつ”は俺の城でミーナを目にとめ…俺が街を視察に行っている間にミーナを無理矢理英国に連れ去ったんだ!!」