第5章 Indian's prince
『何というか…アグニさんは本当に“出来た”方ですよね』
ア「とんでもない!!…私は王子に出会う前はとんでもないパーガルだったのです。一生かかっても返しきれないご恩です…私の一族はプラーフマナという神に仕えることができる最上級カーストでした。ですが…プラーフマナとは名ばかりの欲と俗物にまみれた父の姿を見て育った私は、とても神を信仰する気になれなかったのです」
神…か…
ア「その身分をかさにきて毎日私は罪を犯し続けました。人を傷つけ、神を冒涜し続け、罪を重ね続けた私に…とうとうその罪を裁かれる日が訪れたのです。この世にさした未練もなく、神すらいなかった私に、全てを棄てた私に―――
神が現れたのです
そして気づかせてくれたのです。神はこの御方の中におわすのだと…その日確かに私は王子の中に至高の光を持つ神の姿を見たのです!!」
セ「アグニさん鍋ふいてますよ」
ア「すみません…それ以来私は王子にお仕えしています。王子は私の王であり神なのです。ですから私は新しい命を与えてくださった王子を命に代えてもお守りし、できうる限り王子の望みを叶えて差し上げたいのです」
セ「まぁ実際の神なんて結構ロクデナシばかりですけどね(ぼそっ」
『セバスチャン…』
ア「え?今何か」
セ「いえ何でも」