第5章 Indian's prince
シ「…で、その女は何故英国に…聞けえっ!!!」
ソーマ様とアグニさんはどこからともなく木像に向かって拝みだした
シ「なんなんだ突然…!」
劉「お祈りしてるみたいだけど、えらいシュールなご神体だねぇ」
セ「ご神体といいますか…私には“生首を持って生首のネックレスをかけ男性の腹部の上で躍り狂っている女性の像”…にしか見えないのですが…」
『そのままですね…』
ア「この像は我々が信仰するヒンドゥー教の神、カーリー女神です」
シ「インドの神か」
ア「我がカーリー女神はシヴァ神の妻であり力の女神です。太古の昔、ある悪魔が無謀にも女神に戦いを挑みました。もちろんカーリー女神が勝利なさいます。しかしその後も破壊衝動は収まらず、女神は破壊と殺戮にあけくれます」
劉「悪魔被害より女神被害の方がスゴそうだねぇ」
ア「神々もカーリー女神を止めることができず万策尽き地上が滅びようとした…地上を守るため夫であるシヴァ神がカーリー女神のその足元に横たわったのです…!」
セ「ああ!だから踏まれているんですか」
シ「夫は随分腰が重いな」
『納得しましたがアグニさんの熱弁すごいですね』
ア「不浄の足で夫を踏んでしまったことによりカーリー女神は我に返り地上に平和が戻りました。つまりカーリー女神は死闘の末悪魔を倒した偉大な女神なのです。その証拠に倒した悪魔の生首を持っています」
『…だそうですよ』
セ「そんなにお強い方がいるとは…インドに行く時は気を付けなければいけませんね」
ソ「出かけるかチビ!白いの!道案内しろ」
ソーマ様はそう言って坊っちゃんと私を引き寄せて歩き出した
シ「なんで僕が!?」 『ちょっ…!?』
シ「大体僕はチビじゃなくてシエルという名前が…白いのでもなくてネイラという名前がある…」
ソ「じゃあシエル、ネイラお前達に道案内を申し付ける」
そんなソーマ様の前にセバスチャンが立ちはだかった
セ「申し訳ありません。坊っちゃんには本日お勉強とお仕事が、ネイラには仕事のご予定が詰まっております」
シ「というわけで僕達は忙しい。人探しなら勝手にやれ」