第6章 Indian's prince ~after story~
扉を開け放ったのは他でもないアグニさんだった
ア「その事件実は私…!がっ!」
アグニさんの言葉は途中で遮られた
遮ったのはセバスチャン。しかも、シャンパンのコルクをライフル宜しくアグニさんの顎に当てて…
セ「おや…失敬。大丈夫ですか?」
アグニさんは口元に手を添えながら眼を潤ませ頷いた
あれは痛い…でも今回のはアグニさんが悪い…あ、
ソ「あーハラがへった…あいつらに見つかる前に何か…」
ソーマ様まで来てしまうとは…
ラ「なんだこいつらは?」
アバ「しかも、インド人?」
『ランドル様、お騒がせして申し訳ありません。こちらのお二人は…』
私は坊っちゃんの方を見やると坊っちゃんは小さく溜め息をついた
シ「彼はベンガル潘王国王子ソーマ。そして従者のアグニ。英国文化を学ぶため我が家に滞在中の“友人”だ」
友人という言葉が余程嬉しかったのか、ソーマ様は坊っちゃんに抱きついた
ソ「シエル!やっと認めたな~!!やっぱりお前も俺を親友と思ってたんじゃないか!!」
シ「誰が親ゆ…ぐえっ」
セバスチャンがシャンパンを全員のグラスに注ぐのを見届けて、私は坊っちゃんの救出に動いた
『ソーマ様、どうぞ』
シ「はぁ…では、改めて、事件解決を祝して乾杯!」
どうにかお二人のことを誤魔化すことに成功し、晩餐は終了した
しかし、お二人も困ったことだが、アバーラインさんは最後まで私と眼を合わせてもらえなかった
確かに私のみてくれは特殊だが…それが原因だろうか…?
ここ最近これに触れてくる者がいなかったから忘れていた
私は呪われていることを
セ「何を考え込んでいるのですか。片付けますよ」
『あ、すみません…』
セ「…あまり深く考える必要はないと思いますよ」
『え…?』
セ「ほら、手を動かしなさい」
『すみません』
深く考えるな、か…
確かに考えたところでわかるわけない
私の考え過ぎか…