第5章 Indian's prince
面倒なことになる前にお二人の言い合いに区切りをつけようと、間に入ろうとしたときセバスチャンがトロフィーを胸に抱いて戻ってきた
セ「おやおや、賑やかですね」
メ「セバスチャンさんっ」
フィ「おめでとうございます!」
バ「でかしたぜ!!今日は祝賀会だな」
セバスチャンからフィニにトロフィーが預けられた
『落としてはいけませんよ』
フィ「はーい!」
ア「セバスチャン殿」
アグニさんはセバスチャンの前で膝を着き謝罪を述べた
ア「この度のことなんとお詫び申し上げたらいいか…」
セ「アグニさん。そんな事をなさる必要はありませんよ。どうか顔を上げて下さい」
ア「私は最初王子を英国にお連れしたことを後悔していました。…でも、今は本当に良かったと思える。私も王子も貴方がたから沢山のことを教えて頂いた。なんとお礼を言ったらいいか」
セ「先程から何度も申し上げているでしょう。私は私の、貴方は貴方の事情で戦ったただそれだけの事。お礼を言われる事は何もありませんよ。貴方がたの信じるカーリー女神もカーリー女神とシヴァ神双方の痛みで以て過ちに気づく事ができた…今の貴方がたのように…嗚呼、もう日が暮れて来ましたね。帰りましょう」
歩き出したなか、セバスチャンが私と坊っちゃんに視線を一瞬だが向けた
セ「それに、痛みを伴わない経験は身にならないと申しますしね」
ア「我が国の教えを英国の方に教わるとは…お恥ずかしい限りです」
セ「英国もインドも関係ありませんよ。どこにいてもいつの時代も同じ様なものです。人間なんてものはね」