第5章 Indian's prince
ヴィ「どうやら一件落着の様ですね。良かったわね、“ぼうや”」
ソーマ様の問題が解決したところで女王が使用人達には絶対に聞かれたくはなかった呼び方で坊っちゃんを呼んだ
シ「陛下…!その呼び方はおやめくださいといつも…」
坊っちゃんがこんなにも顔を真っ赤にさせて…貴重な場面に頬が緩んだが、フードを被っていて本当に良かったと思った
ヴィ「そうだったかしら?でもぼうやは私にとってはずっと可愛いぼうやだわ」
シ「陛下、今回は何故このような場所へ?」
ヴィ「今日は聖ソフィア学園の聖歌隊コンサートを見に行くところだったの。だけど、ぼうやの会社がカリー品評会に出るというからぼうやに会いに来たのよ。いつもお手紙ばかりであまり会えないものね」
シ「…僕のような者があまり陛下にお目にかかる訳には…」
ヴィ「そんな言い方なさらないで。ぼうやは小さいのにヴィンセントの様に、立派にお勤めを果たしているわ」
そう言い、女王は坊っちゃんの頭を優しく撫でた
ヴィ「それにネイラ、会うのは久しぶりね。元気そうで嬉しいわ。でもそのフードは被らなくていいのよ?貴方の綺麗な髪や顔が見れないわ」
『…申し訳ありませんが、私めのこの呪われた姿を陛下にお見せするわけにはいきません』
ヴィ「貴方方兄妹は同じことを言うのね。…Jもお手紙だけでなかなか会えませんし…今度会ったら顔を見せる様に言っておいてくださいね」
『はい。心得ました』
ヴィ「ふふ、さあ、そろそろ出発しなきゃね。王宮のサロンでカリーパンを頂くのを楽しみにしています。ぼうやもお遊びは程々にね」
女王はそう言うやいなや馬に跨がり颯爽と去っていった
ジョンさんを置いてきぼりにして…