第5章 Indian's prince
それに対抗するようにアグニさんが取り出したのは…
観10「な、なんだアレ?!青い…海老?!」
そう青い海老…あれは…
ド「あれは…!オマール・ブルーじゃないか!世界中でフランスはブルターニュの澄んだ海にしか生息しないという幻のオマール海老!シャトルの青に負けぬ鮮やかな殻に包まれた美しい姿は正に青いドレスで着飾った麗しい貴婦人!そしてその美しい殻の下の引き締まった身は見た目以上に高級感溢れる繊細な甘みで人々を魅了する…!」
開場中が青い海老で盛り上がっている中セバスチャンはパンでも作るかのように白い塊を捏ねていた
ソ「しまった!この勝負俺達は負ける」
?何故そんなことを…
劉「何故だい?」
ソ「確かにシエルのカーンサマーが作ったカリーは本物だ。だが完璧なのはカリーだけだったんだ!!問題はナーンだ。ベンガルでは主流じゃないから俺も詳しくは知らんがナーンは小麦などを発酵させた生地を、タンドゥールという高温の窯で一気に焼き上げるものだ。やっぱり一週間でカリーの全てをマスターするのは無理だったんだ!この勝負…」
私達の負け…だと?
そんなのはありえない…
セバスチャンが負けるなんて…
絶対にない…そうでしょ?セバスチャン…?
司「タイムアップ!これより審査に入ります!」