第5章 Indian's prince
シ「…ネイラ」
『?…はい、なんでしょう?』
坊っちゃんは私を人目見て
シ「…いや、なんでもない」
坊っちゃんが言いたかったことはわかってる…それは───
司「さあさあ、この“帝国におけるインド文化とその繁栄展”メインイベント。ロンドン味自慢カリー店によるカリー品評会のお時間です!」
司会者が出てきてイベントが開始された
司「本日は特別に観客の皆様にもカリーのサービスがございます!お楽しみにお待ちくださいませ!」
と、司会者が言うと会場全体で歓声があがった
司「さて、本日の審査員は味に妥協を許さない宮廷料理人ハイアム料理長、徴税官としてインドへ赴任されていたカーター様、そして…芸術と美と食を愛するドルイット子爵!」
ドルイット子爵?…たしかどこかで…
坊っちゃんに聞こうと、坊っちゃんの方を見ると首もとが鳥肌になっていた
………あ…ジャック・ザ・リッパーの事件のときの…
劉「アレ彼、ヤードに捕まったんじゃなかったっけ?」
シ「金で出て来たんだろうな…ネイラ、命令だ。あいつの前で絶対、絶対にフードを取るんじゃないぞ」
『?かしこまりました』
何故坊っちゃんがそんな命令をしたのかわからなかったが、坊っちゃんが言うのであれば正しいのだろう
司「そして本日の出場店はコチラ!バーション・タブ社ターピンシェフ、ドミトリー・ビル社ラッシュシェフ、ダリア社リックマンシェフ、ハロルド・ウエスト社アグニシェフ、そしてファントム社執事セバスチャン!…って執事?」
セ「ええ、私はシェフではありません。あくまで執事ですから」
シェフではなく執事の登場で会場がざわつき始めた
司「と…とにかく個性的な面々が出揃いました!これは味も期待できそうです!」