第5章 Indian's prince
ウ「ここだけの話、この間なんかライバル会社のスパイが入りましてね。一点物のガレイのランプは割られるわ、ジェネラル・トレーディングチェストは壊されるわで大変だったんですよ!思い出しても恐ろしい」
私はフードの中でセバスチャンを見て呆れていた
ウ「秘伝のカリーは死守しましたが、この会場に犯人がいるかと思うと寒気がしますよ」
申し訳ありません。犯人は私の隣にいます
ウエスト様はいきなりそわそわし始め、こう切り出した
ウ「それより今日は女王陛下がいらっしゃると小耳に挟んだのですが…」
シ「さあ?陛下はアルバート公が亡くなられてから、あまり公の場にいらっしゃらないから」
ウ「ロイヤルワラントを頂くのですから陛下には是非観客の前で我が社自慢のカリーを味わって頂きたいのですが。おっと、長話が過ぎましたね。ではまた後程!」
そう言い残しウエスト様は去っていった
シ「“ロイヤルワラントを頂くのですから”…か」
『完全に優勝する気になっていますね』
シ「そういう奴が負けた時どんな顔をするか楽しみだ」
セ「御意。では私もそろそろ出場者の控え室へ行って参ります」
私達はセバスチャンを見送った
勝ってきて下さいよ…必ず…