第5章 Indian's prince
翌朝…
ソ「──なんだって!?神のカリーが完成した!?たった一晩であのコクを出す方法を見つけたのか?!」
セ「あくまで私達なりの方法で…ですがね」
私が持っていたカリーをソーマ様の前に置いた
『どうぞご賞味下さい』
ソーマ様がカリーを一口食べると表情が柔らかくなった感じがした
セ「いかがですか?」
ソ「これはアグニの…神のカリーじゃない。だがインドカリーのスパイスによる複雑な旨みはそのままに、英国人にしかできない味付けで新たな深みを出している。このカリーも神のカリーにふさわしい。美味かったぞ。カーンサマー。でも、たった一晩でどうやって…?」
『これです』
私が懐から出したのは…
「「「チョコレート?!」」」
セ「チョコレートに含まれるカカオは元々スパイスとして使われており、独特な香ばしい風味をを持ちます。そのカカオに油脂・ミルク・砂糖を絶妙にブレンドしたチョコレートはカレーに濃厚なコクを加えます」
『ましてや、ファントム社のチョコレートはカカオ純度の高い最高級品。最高のカリーを作る為にこれ程適した調味料はないでしょう』
セ「昨日坊っちゃんがリクエストされたガトーショコラの片付けをしている時に気づいたんです。助けられてしまいましたね」
うわっ…坊っちゃん悔しそう…
ソ「すごいぞシエル!お前のカーンサマーはたったの一週間で神のカリーに追いついた!こいつならもしかしてアグニに!」