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オンナナレさせてみせますから

第4章 適応能力は低いほうです


は気が付けばやわらかい布団で寝ていた。確か冷たくて硬い石の上で寝てたようなそんな気がするのだが…。
もしかして戻ってきてしまったのかとまだ寝ようとする瞼を無理矢理開けて周りの様子を伺ってみる。

「…家じゃないね」

自宅の自室はフローリングだし、和室の部屋は一室しかなく、そこには親が寝ているのだ。
目を覚ましたのは和室。の暮らしていた世界で見てきたあの家具は一つも見当たらなく、生け花や掛け軸があるし、ほとんど生活感はない。現代のものといえば布団の横に置いてあるの荷物だけだ。
上半身を起こしているは取りあえず時間を確認しようと腕を見ると腕時計がなくなっていることに気が付いた。もしかしたら何処かで落としてきてしまったのかとため息をつき、携帯を探し出し時間を確認すれば既に10時をまわっていた。
何をしていいかわからずそのまま布団の上で天井を見上げボーっとしているとタイミングよくふすまが開いた。

「目を覚まされましたか殿!」

「小山田さん!」

入ってきたのは小山田で、片手には桶を抱えていた。誰かを看病をしていたのだろうか。ならば引き留めては悪いと早く行ってあげてほしいと促すと小山田はきょとんとした顔で

「熱があることに気が付かれておられないのですか?」

と言っての布団の横に腰を下ろして手拭いを濡らし始めた。
そういえば頭がガンガンすると思い額に手を当ててみると少し熱いような気がした。

「殿は3日間寝られておりました。それはもう死んだように」

「しゃ、洒落になりませんて…」

クスクス笑う小山田は思い出したようにあぁ、と言って誰かを呼んだ。すると室内に一人女性が入ってきた。
は何となく察した。恐らくこの人は女中で、私の世話をしてくれる人なのだろうと。夢小説ではありがちな展開だなと思っていた。

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