第2章 シンデレラのお話
シンデレラは窓に映る自分を見て溜息をついた。
「あなた、どこからいらしたの?」
僕はシンデレラの問いに答えられず黙り込み俯く。シンデレラはそんな僕を見て小さく息をついた。
「話してもよくて?」
僕はシンデレラの顔を見て首を横になんか触れなかった。
「私、本当は申し訳ないの」
シンデレラの衝撃の言葉に耳を疑う。いつもいじめられていたのに。
「義母様も義姉様もすごくよくしてくれた。舞踏会の日だって私が米を零したのに一緒に拾おうとしてくれたのよ?」
シンデレラは顔を綻ばせて話す。その姿はとても可愛らしかった。
「けどもうしわけないから1人で拾ったわ。あのドレスだって靴だって義母様達が用意してくれたの」
僕は勘違いしていたのかもしれない。
シンデレラ達はとても仲が良かった。シンデレラから聞かされる話はどこの家庭にでもある仲睦まじい話。
──とても、暖かった。
「もう、会えないのかな……?」
シンデレラは今にも消え入りそうな声で囁く。その一言に僕はシンデレラの手首を握った。
しシンデレラの手首はとても細く折れてしまいそうだった。
「今から会いに行けばいいだろ!」
僕はそう言って走り出した。シンデレラはどれで走りにくいのか苦戦しながらも懸命に走った。
しかし、周りには僕が見えない。シンデレラが1人で逃げているように見えるだろう。
何とか城を抜けるがさっきよりも多くの兵士がいる。
僕はどっちに行こうか迷っているとシンデレラに手を引かれた。
そこは普通通ろうと思わない細い道。そこを僕らは走った。
「私、下道には強いの」
シンデレラは強気に言いスピードをあげた。