• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

俳優で幼馴染で初恋で。

第6章 私の過去


私の“過去”。今でも鮮明に思い出せる。それは、6年前、私が10歳の時のこと。

その日は、私の誕生日で、母が予約したケーキを取りに行ってくれることになっていた。
母は、雨が降っているから、と私を家に置いて行こうとした。
『私も行く!行きたい!』
と玄関で駄々をこねる私に、母は
「母:30分くらい…、余裕を持って、一時間。5時半までには帰ってくるから、いい子で待ってて。ね?」
『ほんと?絶対?』
「母:絶対。じゃあ、行ってくるね。」
そういう会話をして、母は出かけた。
その日は、お姉ちゃんもお父さんもまだいなくて、私は一人、家で母を待っていた。
——午後5時。降っていた雨は、激しさを増し、豪雨となっていた。母はまだ帰っていないが、まだ5時なので、特に気にしてはいなかった。
—ピンポーン♪—
「蓮:詩織ー!」
蓮が一人じゃ寂しいだろうから、と家に来て、私は蓮と遊んでいた。
—午後5時30分
遊んでいても、ときどき視線が時計の方にいってしまう。もう5時半なのに、母はまだ帰ってきていない。
—ピカッ—
外が光り、反射的に目をつぶる。
『きゃっ』
—ゴロゴロ—
「蓮:雷も鳴ってる…」
—ザーーーーッ—
外の雨はさらに激しくなり、大きな窓からは、視界を遮るほどの雨と、雷の光りが見える。
『お母さん、大丈夫かな…?』
「蓮:大丈夫だよ。たぶん、もうすぐ帰ってくるよ。ほら、続きしよ?」
『うん…。』
それでも私は、外の景色と時計を気にしてしまう。
—ピカッ—
—ピシャァァン—
『きゃあっ!』
一際大きな音を鳴らして、雷が落ちる。
「蓮:近いな…」
蓮がそう呟いた瞬間、
—バチっ—
と音をたてて、家の電気が消える。
『えっ、停電!?』
「蓮:雷が落ちたからか…。」
蓮が私の手を繋いでくれている。
「蓮:どうしようか。」
まだ雷はなり続け、その度に部屋の中が明るく光る。
『っ…』
私は怖さで震えていた。
「蓮:詩織…?大丈夫、大丈夫だよ。俺もいるから。」
蓮はさらに強く私の手を握りしめる。
—ピカッ—
—ゴロゴロ—
『っ…!』
雷が鳴るたび、落ちるたび、私の体はビクッと反応してしまう。
「蓮:大丈夫、大丈夫。」
/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp