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俳優で幼馴染で初恋で。

第6章 私の過去


蓮とカレーを食べた日から4日後、私は近くの公園に来ていた。
蓮に約束されていたクッキーを渡すためだ。
蓮の家に行って直接渡せば良かったのだが、蓮が公園でもらってそのまま公園で食べたい、というので公園集合にした。ちなみに、蓮は甘恋のドラマの収録だ。
ちら、と公園の時計を見る。時刻はもう5時。公園で遊んでいた小学生たちは、いつの間にか帰っていた。
集合時間が5時で、私が楽しみにして4時半に来たのが悪いが、やることがなくてつまらない。
早く来てくれないかな。私は公園のベンチで待ちながら、何回も時計を確認してしまう。
——ピロン♪——
〈蓮:ごめん、収録長引いちゃって、今電車。〉
蓮からの連絡だ。
そっか、遅れるんだ。まあ、しょうがないよ。仕事だもん。
蓮の収録会場からここまで、20分くらい。で、今乗ってるから、15分くらいで来るかな?
あと15分。短いようで長いな。
〈詩織:了解。焦らなくて大丈夫だよ〜!〉
と返信する。早く来ようとして転びでもしたら大変だし。

——5分後
雲行きが怪しくなってきて、ベンチで様子を伺ていると、雲はたちまち暗く分厚い雨雲へ。
雨が降り始めたかと思うと、激しい雷雨へと変わった。ゲリラ雷雨、だ。
こんな時、普通の人ならまず、雨宿りできる場所を探すだろう。
でも、私は。
「っ…」
ベンチで動けず、雨に打たれ続ける。遠くから雷鳴が響き渡る。ときどき、この公園にも光が届き、ピカッと光る。
「はっ、はっ」
心臓が、痛い、苦しい、怖い。息ってどうやってするんだっけ。
屋根のあるところに行かなくちゃ。
私は、屋根のある公園の自転車置き場へ、おぼつかない足取りで向かう。
ようやく雨がさえぎられ、私はその場にうずくまる。
「はっ、はっ、はっ」
呼吸が早く、荒く、浅くなる。
苦しい、誰か、助けて。

私がなぜ、こんなに雷雨に過剰に反応しているのか。それには、私のとある“過去”が関係している—。
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