第5章 幼馴染の来客
『あ、じゃあ、玉ねぎとじゃがいもとにんじんの皮剥きお願いできる?先にお肉切るから、焦らなくていいからね。』
そう、蓮は料理は一応できるから、こうして手伝ってくれるのだ。なら自分の家でやれば…、と思うけど、誰かと食べたいのかもしれないし、もし私と食べたいって理由なら嬉しい。
「蓮:りょーかい。」
蓮は器用に皮を剥き始める。指、綺麗だなー。
「…ねえ」
「蓮:ん?なに?」
『ドラマ、始まるんだね。』
「蓮:あー、“私とキミの甘い恋”?」
『そう、それ』
「蓮:確認してくれてるんだ?」
『まあ、幼馴染の活躍だしね。』
本心は、俳優をやってる蓮を見たい、だけど。それは心の中にしまっておく。
『相手役、赤原なぎでしょ?美人の。』
そう、ヒロイン役を務める女優の赤原なぎは、美人さん。そんな人と恋愛ドラマやって、蓮が惚れないかだけが心配だ。
「蓮:そう。美人…なのかわわからないけど。」
『そうなの?』
それはちょっと、いや、結構嬉しい。
「蓮:ドラマ、結構長い間やるっぽいけど、見てくれる?」
『…うん。』
“私とキミの甘い恋”略して“甘恋”は、タイトルからもわかるように、思いっきり恋愛ドラマ。正直言うと、お芝だとしても蓮が他の人——赤原なぎと恋愛するのを見るのは気が引ける。でも、やっぱり仕事してる蓮が見たくて、結局見ちゃうんだろうな。
「蓮:良かった。感想とか聞かせてね?あと、俺の演技とか、至らぬ点があったら、正直に言って。改善したいから。」
『うん、わかった。』
真剣な瞳。本当に蓮は俳優を頑張ってるんだなって伝わってくる。そんな瞳を見ると、応援したくなってしまう。
「香織:あ、“甘恋”?うちの大学でも話題になってるよー。やっぱ蓮は顔が整ってるし、恋愛ドラマ向きかもね」
『恋愛ドラマ向き…』
だったら、今後もやる可能性があるんだ…。
「香織:キスシーン、とかあるの?」
き、キスシーン!?やだ!そんなの見られない!
「蓮:まあ、一応。」
「香織:お〜!それってさ、ほんとにキスするの?」