好きだと気づくには、遅すぎた 【ヒロアカ 轟vs爆豪】
第1章 誰にも言えない秘密
(……なんか、柔らかかった……)
自分の手が動いてしまった瞬間の彼女の表情や、漏れ出た声が、ぽやぽやとした頭の中に何度もリフレインする。
胸の奥が妙に熱く拍動し、呼吸が少しだけ乱れるのを感じながら、轟は自分の掌をじっと見つめ続けた。
だが、極限状態だった身体の疲労は容赦なく彼を襲う。
重くなった瞼がゆっくりと落ちソファーの背もたれにもたれると、あっという間に深い睡魔の底へと落ちていった——。
◇
急いでシャワーを浴びて髪を乾かすのもそこそこに浴場を出たは、静まり返った薄暗いリビングに差し掛かったところで足を止めた。
ソファーの上に大きな影がひとつ。
近づいて覗き込むと、そこには部屋へ戻る体力すら尽きたのかぐっすりと眠りに落ちている轟の姿があった。
規則正しい寝息を立てる彼の整った顔立ちを見つめていると、数十分前の出来事が鮮明に蘇り、途端に顔が熱くなる。
(……びっくりしたけど、轟くんは助けてくれたんだよね……)
密かに寄せていた彼への想いも手伝って、胸が甘く疼く。
そんな思いで見つめていた彼女の視線が、ふと、彼の腰元あたりでぴたりと止まった。
ゆったりとした部屋着のズボンが、そこだけ不自然に持ち上がり小さなテントを張っている。
(え……?)
一瞬、思考がフリーズした。
眠っているはずの彼のあきらかな身体の変化。
(もしかして……さっきのアレせいで、こんな風に……?)
罪悪感と申し訳なさがこみ上げると同時に、大好きな彼が自分に反応してくれたのかもしれないという高揚感、そして純粋な好奇心が胸の中で大きく膨らんでいく。
固まっていた指先が、吸い寄せられるように彼の腰元へ伸びた。
服の上からそっと指先で触れてみる。
手のひらに伝わってきたのは、想像をはるかに超える固さと、衣服越しでもわかるほどの熱量だった。
思わず小さく息を飲んだは、ドキドキと高鳴る鼓動を感じながらツンツンと指先で突き、そのまま撫でるように何度か手を滑らせた。