好きだと気づくには、遅すぎた 【ヒロアカ 轟vs爆豪】
第1章 誰にも言えない秘密
食堂で緑谷たちがパニックに陥っていたその頃、は自室のベッドの上で頭を抱えて悶絶していた。
「私、轟くんになんてことしちゃったの……っ!?」
昨夜の出来事を思い返すだけで、顔から火が出そうなほど熱くなる。
疲れて寝ていた轟が自分の不注意のせいで股間を大きくさせているのが申し訳なくて、ただ少しだけ好奇心と愛おしさに負けて触ってしまっただけだったのだ。
それなのに、まさか彼が途中で目を覚ますなんて思ってもみなかったし、咄嗟についた『マッサージ』という苦しい嘘を彼が丸呑みにしてしまった結果、勢いに任せて口でご奉仕までしてしまった。
(轟くんは『マッサージ』って信じてたみたいだけど……後から『やっぱりあれおかしいだろ』って気づかれたらどうしよう!? 変態だって思われたら……っ! 気まずすぎて、もうどんな顔して会えばいいの……!)
不安と恥ずかしさで押しつぶされそうになった彼女は、とりあえず轟と顔を合わせない作戦に出ることにした。
——しかし、事態は彼女の予想とは全く違う方向へと動き出していた。
その日からというもの廊下ですれ違うときも、教室にいるときもなぜか轟からの熱い視線をひしひしと感じるようになったのだ。
じーっと、逃がさないと言わんばかりのまっすぐで力強い瞳で自分を見つめてくる。
(うそ、やっぱりあの時のこと怒ってる……!? それとも気味悪がられてる……!?)
いたたまれなくなったは、視線を感じるたびに冷や汗を流しながら物陰に隠れ、彼から必死に逃げ回るようになった。
対する轟は緑谷に「夢の中だけにしてね!」と強く忠告されたものの、日を追うごとにあの夜の快感が脳裏から離れなくなっていた。
彼女の口内の温かさ、自分を最高の快感に導いてくれた彼女の表情、そして喉を鳴らして飲み干してくれた感覚。
思い出すだけで股間が熱く疼いてしまう。
(あれは夢だったはずなのに……なんでこんなにもに生々しいんだ。いや、夢だろうがなんだろうが……俺はもう一度、にアレをしてほしい)
すっかりあの日覚えた快感の虜になってしまった轟は、自分を避けるようにこそこそと逃げ回る彼女の姿に首をかしげながらも、に頼み込むため、執念深く彼女の後を追いかけ回し始めるのだった。