第27章 脹相〜脹相の服気に入った〜
*
翌朝。
「おはよう、脹相」
「ああ……おはよう」
リビングで顔を合わせる。
私は昨日借りたTシャツを着たまま。
「これ、すごくよく眠れた」
「……そうか」
「うん。やっぱり脹相の匂いがすると安心する」
「……」
脹相の動きが止まる。
「……そういうことは、朝から言うな」
「え?」
「いや……」
脹相は顔を逸らす。
「何でもない」
私は不思議そうに笑った。
その一方で。
脹相は昨夜と同じことを思っていた。
――このまま、もう少しこのTシャツを貸していてもいいかもしれない。
そう思ってしまった自分に。
また少しだけ、困っていた。