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呪術廻戦〜脹相〜

第27章 脹相〜脹相の服気に入った〜


夜。

 お風呂を済ませて、そろそろ寝ようかという時間。

 私は昼間借りていたシャツを脱いで、自分の部屋着に着替えていた。

 けれど、ふとリビングにいる脹相を見る。

「脹相」

「何だ」

「お願いがあるんだけど」

「ああ」

「Tシャツ、借りてもいい?」

 脹相がこちらを見る。

「さっきまでのものでは駄目なのか?」

「うん。寝る時に着るやつが欲しくて」

「分かった」

 脹相が立ち上がる。

「どれがいい?」

「えっと……」

 私は少し迷ってから、正直に言った。

「脹相の匂いがするやつがいい」

「……」

 脹相が固まった。

「……何?」

 明らかに動揺している。

「もう一度言ってくれ」

「だから、脹相の匂いがするTシャツがいい」

「……」

 脹相はしばらく黙っていた。

 耳が少し赤い。

「……なぜだ?」

「なんとなく」

「なんとなく……」

「脹相の匂いがすると安心するから」

「……」

 脹相は完全に言葉を失った。

 しばらくして、分かったと、低い声でそう言って、自分の部屋へ向かう。

 そして一枚のTシャツを持って戻ってきた。

「これでいいか」

「うん」

 受け取ると、少しだけ手に持っただけで、いつもの脹相の匂いがする気がした。

「これがいい」

「……そうか」

「ありがとう」

 私はTシャツを抱える。

「じゃあ、これ着て寝るね」

「……ああ」

 私は自分の部屋へ戻ろうとする。

 けれど。

「あ」

「どうした」

「代わりに、私のタオルケット貸すよ」

「……タオルケット?」

「うん。脹相のTシャツ借りるから、その代わり」

 私は寝室から、自分がいつも使っているタオルケットを持ってくる。

「はい」

「……ありがとう」

 脹相が受け取る。

「これ、私がいつも使ってるやつだから、柔らかいよ」

「そうか」

「寒かったら言ってね」

「ああ」

「私が脹相のTシャツを借りて、脹相が私のタオルケットを借りるから交換だね」

「……」

 脹相がタオルケットを見る。

 それから。

 私を見る。

「……そうだな」

「……」

「どうしたの?」

「いや」

「また何でもない?」

「ああ」

 私は笑って、自分の部屋へ戻った。
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