第23章 脹相〜私の特等席〜
少しして。
「……」
私がいつものように脹相へ少しだけ背中を預ける。
脹相も自然に、私の頭へ手を置く。
ぽん。
そのままゆっくり撫でる。
「…………」
悠仁がまた固まった。
「え、そこまでセットなの?」
「……?」
「頭撫でるところまでが定番なの?」
「まあ……」
私は少し笑う。
「最近はそうかも」
「すごいな……」
悠仁は呆れながらも、どこか安心したように笑った。
「脹相がそんなに自然に誰かと一緒にいるの、初めて見たかも」
「そうか?」
「うん」
脹相は少しだけ私を見る。
それから、いつものように頭を撫でる。
「……俺も、この方が落ち着く」
「私も」
「……」
悠仁が二人を見て、小さく笑った。
「じゃあ、俺が来てもそのままなんだ」
「うん」
「……まあ、いいけど」
そう言って悠仁は笑う。
もう驚くこともなくなったようだった。
私にとってはいつもの場所。
脹相にとっても。
そしていつの間にか。
二人の関係を象徴するような、そんな定位置になっていた。