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呪術廻戦〜脹相〜

第22章 脹相〜うなじ〜



 別の日。

 私はキッチンで料理をしていた。

「脹相、ちょっと取って」

「ああ」

 後ろから手を伸ばして、棚のものを取ってくれる。

「ありがとう」

「……」

 脹相はそのまま後ろにいる。

「脹相?」

「ああ」

「近くない?」

「そうか?」

「うん」

 脹相は一歩だけ下がる。

 けれど、すぐにまた近づく。

「……」

「ふふ」

「何だ」

「最近、私の後ろに立つの好きじゃない?」

「……」

 脹相が黙る。

「やっぱり?」

「……嫌か?」

「嫌じゃないよ」

「そうか」

 それだけ。

 脹相は私の後ろに立つ。

 そして。

 髪の間から見えるうなじへ視線を落とす。

 また。

 あの衝動が湧く。

 触れたい。

 もっと近づきたい。

 けれど。

 脹相は手を伸ばす。

 そして。

 うなじには触れず。

 髪の先を指先でそっと整える。

「……」

「どうしたの?」

「髪が少し乱れていた」

「ありがとう」

 私は何も知らずに笑う。

 脹相はそれを見て。

 少しだけ安心する。

 これでいい。

 今は。

 あなたが嫌がらない範囲で。

 頭を撫でたり。

 髪に触れたり。

 そのくらいでいい。

   
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